塵に積もる美少女たちの微笑み

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 結局二日間ほど放置したがシリコンなので硬く固まることはなく,持ち上げたら重さで千切れてしまうため緊張しながらプールを解体した。  恐る恐るブルーシートを剥がすと大きな豆腐のような塊が現れ,その弾力に感心した。部屋の中央に置かれた冷たいシリコンの塊に包丁を刺し,横から刃先が女の子の身体に触れるまで深めに切り込みを入れていった。  シリコンを半分側だけ切り込むと,中で横たわる女の子の身体を引き剥がすようにして丁寧に型から出した。女の子の身体は綺麗に左側だけに切り込みが入り,その切口は白く美しかった。 「うん……悪くないな……綺麗に型が取れてる」  女の子の身体をバスタブに移動してから,シリコンの内側をスマホのライトを当てながらゆっくり確認した。細かい体表のうぶ毛や皺が綺麗に出ていて生々しく気持ちが悪かった。 「こうして見ると,やっぱ三次元はキモイな……」  棚の上に並んだ大量のフィギュアを見ながら,いかに自分の作品が素晴らしいかを実感した。
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