塵に積もる美少女たちの微笑み

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 プラスチック製の小さなパーツを先の尖ったニッパーで慎重に取り外し,指先に感じる細かいバリをヤスリで丁寧に削ってすべての表面を滑らかにした。  切り取った細かいパーツをお菓子の空き箱に等間隔に並べると,上からエアブラシで白い塗料を吹き付け,乾いたら反対側も塗った。  少し時間をおいて塗料が乾いたら全体的にヤスリをかけ,塗装の凹凸が出ないように同じ作業を四回繰り返した。  この作業を繰り返すことで,ようやく下地ができるとパーツごとに分けて,赤,青,白,緑とそれぞれのパーツをピンセットで摘んでムラが出ないようにエアブラシで着色した。  既に箱から出して二日間,ずっとこの作業を繰り返していた。  締め切った部屋の中は塗料の臭いで充満し,窓を開けると埃や塵が舞って塗装の表面についてしまうのでもう何ヶ月も締め切ったまま,小さなファンが申し訳なさそうにカタカタと室内の空気を外に出し続けた。
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