行きつけの喫茶店

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行きつけの喫茶店

私の家族はとても仲がいい。私の家族は父一条尊「35歳 」母一条和恵「32歳」そして私、 小学五年生の一条理恵「11歳」の三人家族だった。 私達家族は決まっているルールのようなものがあった。 それは毎週日曜日に隣街にある喫茶店で モーニングを食べにお喋りしながら電車で行く事 だった。父の尊は仕事が忙しく娘の話を聞く事ができない為、休みの日の日曜日に自家用車ではなく 電車で家族揃って行きつけの喫茶店に行くのが家族のルールになっていた。 母も父と同じく仕事が忙しいので毎週喫茶店に行ってお喋りができる日曜日の朝をとても楽しみにしていた。 「今日は何を食べる?理恵モーニングAセットか?Bセットか?Cセットか?」 理恵は 「今日はAセットにしようかな?ウインナーと チーズドッグとサラダに……でも、コーヒーを ジュースに変えて注文する」 「あら~いいわね~お母さんも同じものにしようかしらお母さんはブレンドでお父さんは?」 「そうだな~俺はBセットのピザトーストとサラダとコーヒーのセットにするよ」 尊は答えた。 私達家族は、毎週モーニングを食べに来るのが楽しみだった。こんな日がこんな居心地がいい 行きつけの喫茶店がずっと同じ喫茶店のままある ものだと思っていた。 お父さんはいつも私に話していた。 「お父さんとお母さんの出会いも~」 理恵は 「あ~はいはい、ここで出会ったんだよね。 お母さんがバイトしててお父さんがお客さんでここに来てつまり、お父さんがお母さんをナンパして 結婚した。何度も聞いたわよ。」 「理恵~声が大きい~静かに~。ナンパじゃないぞ毎日通って一年後にやっと声をかけたんだから」 理恵は 「一年もかかったの?もっと早く声をかけないと~」 和恵は 「そうよね~。そこよね~いつ声かけてくれるか?待ってたのに」 「いや~待ってたのか?一年も」 「そうよ~待ってたのよ~女の私からだと恥ずかしいから」 理恵はわざと咳払いをした。 「お父さん お母さん子供の前でラブラブな態度しないで」 私達家族は、料理を注文して料理が来ると食べながらいろいろな話をした。 私達家族には隠し事は何もなかった。 だから何でも話していた。 どんなに日頃お父さんとお母さんが忙しくても この行きつけの喫茶店があるかぎり私達は仲良し 家族のままでいられる理恵はそう思っていた。 ずっと、この場所で何年もモーニングを食べられると信じて……。 ずっと行きつけの喫茶店があるものだと信じて……。
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