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永遠のテーマ
誰もが幸せを夢見ている。
それが結婚だと思う。
最初から不幸になるつもりはない。
させるつもりもない。
ましてや憎しみ合って別れるつもりで夫婦となる男女は絶対にいないはずだ。
愛し愛され、望み望まれて夫婦となるのが結婚。
互いが互いを支え合い、責任と覚悟があってこそ成立するもの。
なのに、過ごせば過ごすほど分かり合えなくなる夫婦も、悲しいかな一定数いるのも、また事実である。
分かり合えなくなる原因として、性格の不一致や相手の裏切り、金銭感覚の違いなど二人だけの問題で発生することがあるけれど。
私の場合に限っては、これに当て嵌まらない。
結婚における永遠のテーマ。
いつの時代も受け継がれている負の側面が、私と夫の仲を引き裂く原因となっていた。
嫁と姑。
姑と嫁。
どっちが先でどっちが後かなどどうでもいい。
とにかく私は、姑の性格が受け入れられないのである。
姑が言いました。
結婚する時、住むなら近所にしてくれと。
私はどこでも良かったので了承したけれど、断れば良かったと住んでから思い知ることになる。
引っ越し当日、姑は家に押しかけてきた。
荷物整理の手伝いかと思いきや、片付ける私達に向かって一方的にお喋りするだけで、荷物には触りもしない。はっきり言って邪魔。
中断せざるを得なくなり、姑提案の引っ越し蕎麦を食べに行くことになった。食べ終わると、無邪気にあそこ行きたい、ここも行きたいと、姑が自分のしたい買い物について語り出す。
正直、唖然とした。
夫にアイコンタクトを送るも、結局、姑に付き合い、蕎麦代も買い物代も全額ウチ持ちで、夜も更けてから自宅に戻ることに。
あのさ、言ってもいいですか?
姑には夫がいる。
健康であり健在である。
お金に困っているわけでもない。
姑には私の夫の他に長男、次男が結婚して近所に住んでいる。
つまり姑には、一番に頼るべき元気な夫も長男夫妻も次男夫妻も周囲にいるのだ。
何故、急ぎでもない姑の買い物を、引っ越し当日の荷物整理を放ったままで私達夫婦がせねばならない?
仮に新しく迎える嫁と仲良くしようと思っての行動だったなら、逆効果である。
仮に新しく迎える嫁への意地悪だったとしたら、心置きなく喧嘩していただろう。
だけど姑は、本当に悪気がないのだ。
悪いと思ってないのだ。
自分が言った事を実行する、または何でも願いを叶えてくれる人として、私の夫を扱っていた。
その証拠に、連れて行ってくれて買ってくれてありがとう、と言われたものの、荷物整理を中断させた詫びはない。嘘でも手伝おうかの一言もない。
新婚から姑に対して愚痴る妻など嫌だろう。
夫を気遣い夜通し黙って片付けていたけれど。
次の日も姑はやって来た。
朝も早よからピンポンピンポンと、インターホンを連打しながら。
二人揃って慌てて飛び起きた。
パジャマ姿のまま出迎えれば、姑は満面の笑みで言ったのだ。
朝食を一緒に食べようと。
手ぶらで。
何のおもてなしも用意出来てない、約束もない私達夫婦に向かって。
おいお前、いい加減にしろよ?!
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