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絵の具で描いたような青空の下、温室の中で猫が眠り込んでいた。
「スコーンとワッフル持ってきたよ」
「ありがとう。僕このスコーン大好き」
アールグレイがソファから起き上がる。ラワーレが用意したケーキスタンドには、スコーンやワッフル、ジャムが並びそれぞれの紅茶からは湯気が立ち上っている。
「わたくしもいただきますわ」
優雅な仕草でスコーンを手に取るシフォン。そんなシフォンの視界には黒猫が入ってくる。
「ノワールは眠ってしまいましたわね」
「僕も思わず眠ってしまいそうだよ」
「アールグレイ。あなたどこでも眠れるでしょう…。ラワーレから聞きましたわよ、旅の話し」
シフォンからジト目を向けられたアールグレイは紅茶の香りを楽しみながら日記帳をテラスのテーブルに出す。
「私は旅の話を聞く事が出来て嬉しかったよ。お土産ももらったし」
ラワーレがワッフルを食べながら日記帳に目を留める。一応、フォローのつもりらしい。
「僕が旅をしていた4年のうちに、シフォンという友達を作っていたラワーレの方が僕は気になったよ」
「そうかな?」
「失礼ですわ!」
少しの沈黙のあと3人はクスクス笑いだす。
「ニャ〜ン」
「ノワール起きたね」
伸びをしたノワールはゆったりとてとてと歩いてきてアールグレイの座るソファの下に落ち付いた。
ゴロゴロ喉を鳴らしてノワールが尻尾を揺らした。
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