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驚愕に見開かれた女の瞳の奥の、微かな光。
ああ、そうか。僕の中の炎はこの女に飛び火したんだ。
──もしかしたら。もしかしたら、僕にも最初に殺した男から……?
そうだよ。だって僕はあの時まで、人を殺したいどころか傷つけたいとさえ考えたこともなかった。
最初はあくまでも、自分の身を守るためでしかなかったんだから。
この『炎』は、ごく普通の人間を変えてしまうような。……あるいは、ごく普通の人間が気づかないうちに心の奥に秘めてるものを露出させてしまうような。
そういうもの、なんだろうか。
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