君と珈琲飲みながら話した言葉

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君と珈琲飲みながら話した言葉

0時に変わった瞬間だった "なにか生きている間にさ、 証を残したいんだよね" 電話越しとかではなく 繋がっている、って感覚だった "わかる、自分を表現したい" "そう、てか、いいよなあ〜" ふう、と聞こえたから どうやら煙草を吹かしているのか "なにが?" "文章書いたり、絵書いたり そうやって残せるものがあって" "まあ、本になったらね? 個展とかできれば更にいいなあ" "いいよなあ、ほんと" 俺にはなにもないのかな、と言った 随分、自信なさげだったから驚いた いつもなら 俺にはなにが残せるのかなあ、と言って 歌とか歌えたらなあ、 日記とかでもいいなあ、書こうかな? って馬鹿笑いしてるはず、なのに "死んだ時にさ、発見しました って有名になる人も多いからなあ" "まだ、死なないで" "まだ、死ねないよ" なにを終えようとしてるのよ 私たちはまだ話さなきゃいけないのよ 未完成な物語が、ここにあるうちは "私が生かしてあげる" "え?" "知らないの?私魔法使えるの" "なにそれ" 笑ってくれるなら それでよかった 少しでも君の中にいれるなら それでよかった "いやあ、話せてよかった" "それはこちらこそ" "次いつ会う?" 長電話 長さで愛が測れるなら 恋人かも、ね? "また珈琲飲みに行こう" "もちろん、探しにいこう" 私がこの世に残したいのは、 君と珈琲飲みながら話した言葉
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