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もうすぐクリスマス、雪のプリンセストーニャのお城ではクリスマスパーティーが行われることになりました。トーニャは隣国のプリンセス達に招待状を出しました。
花の国のプリンセスロザリーの元にも招待状がやってきました。
「まあトーニャ様がクリスマスパーティーを?素敵だわ。私はピンクの4段フリルのドレスを着ていくわ。今年のファッションコンテストも私が一番よ。」
トーニャはおしゃれが大好きなプリンセス。お城のパーティーで招待されたプリンセスが参加できるファッションコンテストを開きます。
一番に選ばれたプリンセスは年明けの舞踏会に参加できるのです。昨年ロザリーは一番に選ばれ、舞踏会で希望の国の王子様と運命的な出会いをしました。
光の国のプリンセス紅花こうかの元にも招待状が届きました。
「トーニャ様のパーティー、オーケストラの演奏素敵だったわ。わたくしは赤地に金の刺繍が入ったチャイナドレスで行きましょう。それにまた琵琶の演奏をしたら、西のプリンセス達の注目のまとになるかしら?」
紅花は音楽が好きなプリンセス。琵琶を片手に唄います。光の国は東の方にあり、他の国とドレスや楽器、人々の習慣が異なります。西の国のプリンセス達は皆紅花の話に興味津々に耳を傾けます。
星の国のプリンセスキララの元にも招待状がきました。しかしキララは浮かない顔をしてました。
「キララ姫様、雪の国のトーニャ様からパーティーの招待状が来ましたよ。」
侍女が招待状を持ってキララの部屋にやってくる。
「私行きたくないわ。だって着ていくドレスがないんだもの。」
星の国の民は皆青系の服を着ている。男は青のブラウスにズボン、女は青色のワンピース。王族は頭に星の冠をつけている。それは青が空の色だからです。
「姫様、その姿で行けばいいではありませんか。それがこの国の衣装なのですから。」
「それが嫌なの。トーニャ姫のパーティーには皆華やかなドレスを着てくるのよ。こんな姿じゃ笑われてしまうわ。ああ、せめてこのワンピースに柄があったら華やかになるのに。」
次の瞬間窓の外を見ると大量の流れ星が現れました。年に一度冬になると流れるのです。
そして次の朝になると流れてきた星の欠片が国中に転がっているのです。
「ねえ、私良いこと思い付いたわ!!」
キララは次の日の朝王宮の庭に向かいました。そこにはあたり一面黄色い星が散らばっていました。
「キララ姫様、」
侍女がやって来ます。
「私この星でドレスに刺繍を作るわ。貴女も手伝って。」
キララは侍女と一緒に庭中の星の欠片を集めました。そして青のワンピースに一個一個並べていきました。
「きらびやかにはなったけどまだ足りないわ。そうだわ。」
今度はお城に衣装係を呼びました。
クリスマスがやってきました。雪の国のお城にはクリスマスパーティーに参加するプリンセス達が訪れます。キララもその中におりました。
キララはお城に入るとお城のメイドに案内されて大広間のテーブルへと向かい着席します。
パーティーの時間になると雪の結晶でできたティアラに白のわっかドレスに羽を背負ったトーニャ姫が現れました。
「ごきげんよう。今夜は雪の国のクリスマスパーティーに入らして下さり感謝しますわ。」
パーティーは美味しい料理にお菓子、オーケストラの演奏、そして紅花の琵琶と楽しい時間が流れました。
「キララ姫様、舞台袖に移動を。」
メイドに声をかけられキララは舞台袖へと向かいます。
これからパーティのメインイベントファッションコンテストが始まります。このコンテストはパーティの招待客の中からトーニャ姫が素敵だと思ったドレスの着こなしをしているプリンセスを選びます。選ばれたプリンセス達は最終選考としてステージに上がり他の参加者の投票で一番が決まるのです。
最初にステージに現れたのはロザリー姫です。縦ロールの髪にピンクの桃の花の髪飾り。フリルのドレスの裾をつまんで優雅に挨拶します。
プリンセス達はロザリー姫の姿に息を飲んでいました。
その次がキララの番です。暗がりの会場にスポットライトに照らされながらステージへと歩き出します。
キララはスタイリッシュな青いエンパイアスタイルの星を散りばめたドレスで現れます。
キララもロザリー姫の真似をしてにこっと微笑むとゆっくりとお辞儀をしました。
全ての候補者がステージに上がると会場にいるプリンセス達の投票で今年の一番が決まります。今年選ばれたのは
「星の国のキララ姫」
キララは驚きと共に前へ出る。
トーニャ姫からティアラを贈呈されました。
「キララ姫、素敵なドレスでしたわ。星の宝石が目映い光を放っていた、まるで夜空の星座を見ているようだった。という声がありましたよ。」
「トーニャ姫、こちらは宝石ではありません。星の欠片です。星の国には毎年この時期流星が見えますの。落ちてきた星の欠片をドレスに並べましたの。」
隣に立っていたロザリー姫も笑みを浮かべてキララの勝利を祝福していました。良いライバルが現れたわと言うように。
あれから1年が立ちました。12月も終わりに差し掛かった頃、星の国のお城でガーデンパーティが行われることになりました。そこには各国の貴族やプリンセスが招待されていました。雪の国のトーニャ姫も来てくれました。
「トーニャ姫ようこそいらっしゃいました。」
キララは1年前の星のドレスの上に黄色いコートを羽織り出迎えてくれます。
実は1年前キララが雪の国で開かれる年明けの舞踏会の時訪れた貴族やトーニャ姫も招待していたのです。是非自分の国の流星を見てもらおうと。流星の時期に合わせてこのガーデンパーティを計画したのです。
「キララ姫、」
花の国のロザリー姫でした。隣には婚約が決まった希望の国の王子がいます。
「キララ姫ご招待ありがとうございます。星の国は景色が見渡す限りの絶景ですわ。」
「気に入って頂けて光栄です。ロザリー姫もご婚約おめでとうございます。」
その時琵琶の演奏が始まりました。楽団の最前列の真ん中では光の国の紅花姫が琵琶を奏でていました。
「さあ、そろそろ流星が始まりますわ。どうぞ琵琶の演奏と共にお楽しみ下さい。」
紅花姫の琵琶の音色に誘われ流星軍が夜空一面輝きました。
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