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むせるような血の匂いが俺の鼻を馬鹿にさせる。 ゴロンと足元に転がった二つの人間だったものに視線を落とした。 眼球をサバイバルナイフで切りつけた後に金属バットで殴り続けたため原型が分からなくなっている。 やり過ぎだとは思わない。 それらをまたぎ部屋の奥にある押し入れの襖を開けた。 中に居たのは小学生くらいの男の子。 肋や背骨が浮き上がるほどガリガリに痩せ細った身体、真っ黒に染まった大量の痣、右頬には赤く爛れた火傷の跡。 両足を抱えながら横たわっている。 赤く染まった自分の手を履いているジーパンで拭き、その子の顎の付け根に触れた。 ······あぁ。
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