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<クサレチンとヤリコを逝かせましょう>
お義兄さんは一旦自宅に戻ってから出勤することになり、お姉ちゃんは引っ越し楽々パックの立ち会いと新しい鍵の付け替えのために留守番をしてくれることになった。
私は、腫れた目を少しでも隠すように化粧をして封筒とタブレットをバッグに入れるとマンションを出た。
クサレチンの会社の近くに行くと企画営業部の部長宛に電話をかける。
「お忙しいところ申し訳ありません。いつもヤリオがお世話になっております。ヤリオの妻です」
「こちらこそ、よくやってもらってます。どうしました?」
「そちらにヤリコさんと言う方がいらっしゃるとおもうんですが」
「ええ」
部長はなんとなく不穏な空気を感じたのか探るような返事になっていた。
「ヤリコさんとヤリオの不倫が男女で行った出張がきっかけだということでお話をさせていただきたいんですが」
「なっ、ふ、不倫?」
すごく慌てているのがわかる。
「今、会社の前まできております。いきなりでもうしわけないのですがなんとか30分ほどお時間をいただけないでしょうか?二人の不倫に関しまして就業規則にも違反している部分があるようなのでその説明もしたいとおもっております。」
「わ、わかりました。お待ちしております。5階の企画営業部に直接来ていただきましたら案内するように伝えておきます」
「わかりました」
通話を切ってから腕をひと回しする。
さぁ!行くぞ!あの二人をたっぷり逝かせてあげましょう。
5階の企画営業部のドアをノックするとすぐに女性が出てきてさらに一つ上のフロアにある会議室に通された。
ドアを開けると部長が椅子から立ち上がりこちらへとすすめられた椅子に座ると向かいにはクサレチンが顔面蒼白になって座っていた。さらに少し離れたところにイクイク〜とおっぱいを揺らしていたヤリコが涙をポロポロ流しながら座っていた。
いや、泣きたいのはこっちだし。
既婚者って知ってアンアンしてたんだから、こうなることは織り込み済みだろう。
さらに、今日家に帰ればヤリコの家にもクサレチンの実家にも内容証明が届いているはずだ。
その後は弁護士に頼んでいるから二人にはしっかり金銭的な償いをしてもらう。
「この二人が不倫をしていると言うことは、今二人からも確認をとりました。」
「そうですか」
「不倫だけでも社内風紀を乱したということで就業規則には抵触しますが、もしヤリコの退職を奥様が望まれたとしてもそれは難しいのです。男女で出張に行かせてその結果がこのようになっているのであれば、上司であるわたしも教育ができていなかったとして謝罪をいたします。申し訳ないです。」
辞めずに済むと思ったのかヤリコが少し微笑んだように見えた
が
昨日、クサレチンから耳を覆いたくなるような話を聞いたのはすべてこの時のためだ。
「不倫もそうなのですが、私がお伝えしたい就業規則違反は他にもあるんです」
そう言うとタブレットを取り出して、昨日聞き出した話を編集したダイジェスト版の音声を再生する。
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「それは、本当にごめん。でも、これでやっと別れられるから」
「えーっと、何で?」
「もう脅されることはないから」
「いやいや、脅されてるってあたりが嘘くさいんだけど。だってノリノリじゃん」
「そ、そんな事は・・」
「ところでシャングリラ以外では何処で?彼女の部屋とかは?」
「彼女は実家だから」
「質問続けるね、シャングリラ以外のホテルは」
「それは無いです」
「他の場所は?例えば」
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ここで一旦再生を止めてラインのトーク画面のスクショを表示する。
『今日はすっごく興奮しちゃった』
『そうだね、ああいうのもいいね』
『資料室って誰がくるかわからないから』
『じゃあ、明日もしようか』
『うん、いいよ。中に出してもいいからね』
『ヤリちゃんの中にいっぱい出してあげるね』
『うん、嬉しい』
画面を部長に確認してもらってから再生ボタンをタップする。
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「っていうトークがあるんだけど、さっき避妊してます!って、元気に言っていたよね?中出ししてんじゃん」
「すみません、その・・・資料室で話をしていて・・・ヤリコが俺のをその・・・したので」
「何をしたの?はっきり言ってくれる?何でも話してくれるんでしょ?」
「うんぐっ・・・その、俺のを」
「具体的に」
「俺のち◯こをしゃぶり出してムラムラして入れたくなったんだけど、上着を着てなかったからゴムがなくて」
「まとめると、仕事中に資料室で二人でおサボりしているときに、ヤリコがゲスオのち◯ち◯しゃぶり出したからヤリコのま◯こに入れたくなったけどゴムがなかったから中出ししました。ってことでいい」
「はい」
「だったら、そのままヤリコに口でしてもらうってことはできなかったわけ?避妊もせずに中出しするって妊娠したらその子を認知して養育していくってことだよね?まぁ、私と離婚してヤリコと再婚するつもりだったんだろうけど」
「ふひゃ、そ、それは無いです。ヤリコと結婚したく無い。妊娠するかもということは考えなかった」
「いや、考えろよ。中出しセッ◯スは何回したの?」
「二回」
「どこで?」
「二回とも資料室です。誓ってホテルではちゃんと避妊してました」
「ええっと、ヤリコはフェ◯チオが下手?口だけじゃイケない?それとも、あんたが口よりマ◯コに入れたいだけ?」
「下手だから、ヤリコのフェラ◯チオだと硬くなるけどイクところまでは」
「なるほど、硬くはなるけどイケるほど上手くない、てかヤリコはお口が下手なのね」
「はい」
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ここでヤリコが「ひどい!ヤリオさんいつも気持ちいよ上手だねって言ってくれるじゃない」と叫んだことで部長の顎がテーブルにつきそうになっていた。
そこ今、ツッコむところ?
音声はまだ続く
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「ちなみにビジネスホテルで1回、シャングリラで5回、会社の資料室で2回で、間違い無い?」
「嘘をつくと」
「わかった、ごめん。営業車の中で一回です。ちゃんとゴムはつけました。いちごのやつです」
「何処でどんなふうに?」
「取引先の地下駐車で、助手席のシートを倒して」
「どっちから?」
「え、営業が終わって帰ろうと思って運転席に座ったらヤリコがその、チャックをアレして、その、アレを出して、く・・・口で」
「アレじゃなくてちゃんと言ってください」
「チャックをおろしてち◯こを出すと口に咥えてペロペロされたらムラムラして財布に入れておいたいちごのゴムを口で付けてもらってヤリコのま◯こに挿れて動きました」
最後は叫び声に近くなっていた。
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「ひどーーい、ヤリオくんがチャックをおろしてち◯ちん舐めてって言ったんじゃない」
「え?舐めてって言ったの?」
私と部長の視線がクサレチンに集中するとクサレチンはフルフルと頭を振っていた。
今度は動画のファイルを再生する。
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「奥さんとの離婚の話はどこまで進んでるの?まだ、ゴネてるの?」
「ああ、何度も言ってるんだけど離婚に応じてくれないんだ」
「それなら、ヤリコが言おうか?」
「だめだよ、不倫がバレたら会社に居づらくなるだろ?離婚してヤリコと再婚しても仕事が無いと困るのは俺たち二人なんだから。すこし時間がかかっても待っていて」
「わかったぁ、じゃあ奥さんとエッチしちゃいやだぞっ」
「ああ、もう会社に戻らないと」
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あああああ
クサレチンがテーブルに頭をつけて泣き出した。
部長はどこかに電話をかけると防犯カメラがどうのと言っていた。
「ヤリオは仕事中に資料室や取引先の駐車場、そして仕事中に抜け出して自宅で不倫をしていたようです。ちなみに、主人から離婚の話をされたことは無いです。」
ヤリコを見ると、クサレチンの嘘やテクニックが未熟なことの暴露や恥ずかしい言葉の応酬に放心状態になっていた。
私は部長に話を聞いてくれたことにお礼を言うと会議室から出ようとしたその時
「しいちゃん、今夜もう一度話を聞いてほしい。別れたくない。俺が好きなのはしいちゃんなんだ」
その言葉を聞いたヤリコは大声で泣き始めた。
「もうあなたの荷物は実家に配送しました。今頃鍵も替わっているはずなので、もうマンションには来ないでください。あと、お二人とも今後は弁護士を通させていただきますので、それでわ」
「しいちゃん」
クサレチンがつぶやいたと同時に内線が鳴り部長が電話に出ていた。
「防犯カメラに映っていたか」
という言葉が聞こえてきたが、足を止めることなく会議室を出た。
きっと二人の不倫の話題は知れ渡るだろう。
防犯カメラの動画だってどこかしら漏れてしまうかもしれない。
不倫やサボりで解雇できないとしても、二人がこの会社に居続けることは相当なメンタルがないと無理な気がする。
てか、私には関係ないし。
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