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先週から『透明猫』を飼っている。
透明という名の通り、目に見えないし匂いもしない。
ペットショップの勧める給餌機と洗浄機のおかげで部屋も綺麗だ。
布団で横になれば『猫』は上に乗り、ゴロゴロと喉を鳴らす。
確かな温もりとずっしりとした重みに私は安堵しながら眠りにつく。
そんな『猫』が先日粗相をした。
買っておいた大型のココア缶に手を突っ込み、鳴き声をあげる。
慌てて引き抜くとココアまみれの手は妙に節くれだっていた。
人間大の五本指のしわくちゃの手。
…今、私は『猫』の返品のためペットショップに電話をかけている。
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