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悪ノリが過ぎた。それは、ものすごく後悔している。
俺は辛杉シゲキ。
大学のサークルの飲み会があった先日、酔った勢いで何人かとこのまま心霊スポットに行こうという話になった。
たまたまそのときいた店の近くの廃ビルが、知る人ぞ知ると言われる心霊スポットだった。そこに、勢いだけで行ってしまったのである。
それが、どうやら本当にまずいスポットだったらしい。廃ビルで実際に起こったことと言えば、一瞬だけ窓ガラスに女の影が映ったような気がした、ということだけだ。気味が悪かったので、そのまま全員で逃げるように帰った。
それだけなのに。
その日からずっと奇妙なことがおこる。一緒にそこに行った友人たちが、一人また一人と奇妙なことに病院送りになったんだ。全員、なぜか口いっぱいにハバネロが詰まった状態で目を回していたというのである。
かくいう俺も連日朝起きたら口にハバネロが詰まっている。きれいに食してから布団を出てやるがな。
ともあれ今となっては、無事なのは俺一人しかいない。
……まあ、俺の無事も、
「はっ!」
――いつまで続くかわからないけどな。
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