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誰も何も喋らない。
そんな静かな部屋だった。
「ノリ子さんって引っ越したやろ」
とカズミ先輩に訊いた。
カズミ先輩は無言で頷く。
「同じ団地やけど、広い部屋が空いたからって、去年の年末に引っ越してん」
Fはそれを聞いて頷いた。
「ノリ子さんに憑いてたのはその家に居った霊やな…」
Fはテーブルの上のお茶を取り、飲んでいた。
「しかも一人やないな…。俺がわかるだけでも三人…」
私は、俯いて目を強く閉じた。
私もFと同じ様に三人を感じていた。
しかもそのうちの二人は子供…。
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