キューピー30分クッキング

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 GWも終わり、特に久しぶりと感じることのない学園。相も変わらず黄色い声。何故か空気の悪い会長たち。いや、なんでやねん。 「あ〜…」 「さっきから、あーとかうーとか言ってないで仕事したらそうですか。テン」 「もう終わったも〜ん…」 「いつもそれぐらい早くしてくれたら良いんですけどね」  いつも以上にだらしないが、仕事だけは早い会計。 「「むぉー!あほぉ、ひょっほわっふぁおいー!!」」 「ヨイ、アケ、食べながら叫ばないでください。行儀が悪いですよ」 「「んー!!!」」  仕事そっちのけで、ヤケ食いをしている双子。 「…」 カタカタカタカタ  うーん、無言でもんもんと仕事をしている会長も怖いもんだな。ま、仕事が一気に進むから会長に関してはこのままで…。 「すぴー」 zzZ  ケントは変わらずスヤスヤとまぁ…。あれ?でも、眉間に皺よってんな。  GWが明けてから皆はずっとこの調子である。GWに何があったのかは知らないが、いい加減元に戻ってほしい。あ、今の状態の方がちゃんと仕事をしている奴らはそのままでいいな…。とりあえず、あの中で仕事をするのはなかなかに気まずいから、さっさとどうにかして欲しいと言うのが本音かもしれない。 ーーー 「シオンー!GWどーだったー?寮にいなかったよね?外出てたんでしょ?誰かに会いに行ったってこと?デートだったってこと?」  クラスに入るなり、ミツキに質問攻めにされる。内容のほとんどが、ただの妄想でしかないようだが。 「そんなわけないでしょう。少し外に用事があっただけですよ」 「そっかー。ま、シオンのことだからそーだろうと思ったけど」 「じゃあ聞かないでください」 「いいじゃん♪少しぐらい夢見たって」  あぁ、手に負えないわ。いつも以上に上機嫌な様子。GWのテンションが抜けきらないのだろう。 「それより、そんなにアホみたいに浮かれてますけど、中間テスト近いですよね。そこは、大丈夫なんですか?」 「あ゙」  テストのことはすっかり忘れていたらしい。猫かぶりにあるまじき声が出てやがる。 「シオン…君を友人と見込んでの頼みがあるんだ…」 「嫌です」 「そんなぁ!!この可愛い僕のお願いを断るの!?ねぇ、僕たち親友だよね!?親友の頼みを断るの!?」  瞳をうるうるとさせて頼みこんでくる。ふむ、うるうる+上目遣いのおねだりのせいで、いかつい系男子たちの顔が真っ赤だ。俺にとっては、正直きしy…うん。 「はぁ。仕方ないですね。いいでしょう」 「やったぁ!」 「その代わり、貸し一つです。あと、親友ではありません。気をつけてください」 「はーい!…てか、シオンってホント親友とか嫌がるよね?もう慣れたけど」 「私に親友なんていりませんよ」 「はいはい、そーでしたね〜」 「おや、バカにしてます?」ニコッ 「いえいえ!そんな!とりあえず、お勉強会よろしくお願いしまーす!!」(こ〜わ)  中間テストに向けての勉強会が決まった。
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