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第11話 【BLACK EDGE 其の11 償い】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第11話
【BLACK EDGE 其の11 償い】
フェアは与えられた力を組織のために使うように言われた。
それが力を得たフェアに出来ることだと。そしてそのために犠牲になったもの達のためにできることだと。
そしてフェアにはそうするしかなかった。
どうしたら償えるのか。何が出来るのか分からなかった。だから、そうするしかなかった。
そしてもし、フェアが逃げたのなら……。
フェアに適合したことで実験は終わった。そのため残った子供達はまだ保護されている。
同じ龍はこの世に二匹は存在しないのだ。そのためフェアがその力を持つ限り、他の子供達が危険に晒されることはない。
そのためフェアは残った子供達の安全を条件に組織の命令を聞くことにした。
白龍には傷を治す力がある。それは治癒力を強化する力であり、動物の傷を瞬時に回復させられる。
病気や治癒の関係しない部分などには効果はないが、負傷した組織の人間を治すことを行なってきた。
だが、そんなある時、フェアは組織の人間がある話をしているのを聞いた。それは組織を潰そうとする存在。
同じようにドラゴンの力を持つが組織と対立し、いく先々で組織の基地を潰しているらしい。
その人間はこう呼ばれているブラッド。
それが本名ではない。だが、彼らはその人物を恐れてそう呼んでいた。
ブラッドの噂は子供達の中でも流行っていた。もしもこの施設に彼が来たのなら助かるかもしれない。
それだけじゃないフェアも助けることができる。
だが、ブラッドはそう都合良くは現れてくれなかった。
そんな中、一人の子供が言った。来ないのなら呼べばいい。そして子供達の中でもブラッドを連れてこようという話になった。
どんな人物かわからない。だが、組織を潰す人間。組織に恨みがあるから動いている。簡単に手伝ってはくれないだろうが、利害を一致させれば誘導できる。
だが、誰が行くのか。フェア以外の子供達は余り物、またはフェアが使えなくなったときの予備だ。
子供達が脱走すれば、組織の人間は容赦なく殺す。ならば、殺されない人間が行けばいい。
フェアは組織にとって重要なキーだ。簡単に殺すわけにはいかない。
それにフェアの捕獲を諦めたとしても、フェアを殺すまでは子供達を殺すわけにもいかない。それはフェアの後継となれる子供が誰なのかわからないからだ。
そしてフェアが脱走することにした。
子供だけでこの作戦は成功しない。組織内に一人協力者がいた。その人がこの作戦を提案してくれたのだ。そしてフェアを外に逃した。
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