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「今日も来てたの?君」 毎週水曜日、なぜかいつも同じ場所に居座る小さなお客様。 丸々と太った体、愛くるしい…とは程遠い様なふてぶてしい切れ長の瞳、赤茶の縞模様の毛並み。 「無視か。相変わらず可愛くないね」 家の庭はとても広い。 整えられた芝生に、季節の花で彩られた花壇、誰も使わなくなった西日が射すと温かいテラス…。 その庭の真ん中でいつもの様に鎮座する、可愛げの欠けらも無い君。 「ねぇ、お腹空いてない?給食で余ったパンがあるよ。あげる」 和平(かずひら)は味気の無いコッペパンが嫌いだ。 だからいつも食べずに持ち帰ってきては動物達に与えていた。 庭に遊びに来る雀、学校の帰り道、通学路で見かけるカラス、そして水曜日に決まって家の庭にやってくる、水曜日のネコ。 今日も君は鳴いて媚びる訳でもなく 擦り寄ってくる訳でもなく ただ黙っていつも同じ場所に居る。 和平は細かく手でちぎったパンを放るとネコは鼻でつんつんってした後に小さな口でムシャムシャと頬張る。
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