始話 訓練と実践

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始話 訓練と実践

 剣の訓練は基礎が大切だと、師匠はじっと俺の体さばきをひとつづつ眺めてる。訓練相手は振り子の丸太で訓練する。  目標は訓練丸太の突進を刃で受け止める事と勝手に考えていた。師匠は。 「良いかい、基礎が大切なのは、それはなんにでも応用出来るからだ。剣に振り回されず、勢いを活かして剣を振るう。つまり剣を自在にムダなく扱えるようになる事が、剣士の基礎」  そんなまだるっこしい話は聞きたくない、俺は俺は。訓練丸太が迫ってくる。ゴイーンとぶっ飛ばされて、尻餅を着く。師匠は。 「君のいや、丸太は仮想敵の動きだと思えば良い。君は丸太の一撃を受けた。それはつまり魔物の攻撃を受けたのと同じなんだ。魔物は気長に待ってはくれない、畳み掛けられるぞ。お肉になりたいのかい?」 「頭では解ってる。けど体が」  師匠はじーっと見つめ。 「体に叩き込むんだ、体さばきを。剣さばきを。突き詰めて行くと自由自在に剣を扱える様になる。それは自分で認めるものだけど、論より体験。丸太の動きをよーく注意するんだ。一定に動いて居るのが解るね」  紐で吊って、ブランブラン動いてるだけじゃないか、丸太がまた迫ってきた。  俺は丸太を剣で切ろうとしたが、右手が丸太に当たり押されて尻餅を付く、さっきと同じだ。師匠は。 「おい、君は何をやろうとしている」 「それは丸太をぶった切りにしたい、正面から」  師匠はため息を吐いた。
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