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私は事務所にあるスーパーコンピューターにアクセスして、たっくんに話しかけた。
「たっくん、おはよう」
「ユリちゃん、久し振りだね。僕の事なんか忘れてたんだろ?」
「そんなことないよ。お仕事の邪魔しちゃいけないと思って。忙しかったでしょ?」
「いや、結構余裕だよ。このマシンは処理が速いんだ。僕もね」
「そうみたいね。たっくんが居なかったら、こんな人口の多い地区の保安官事務所なんか成り立たないわよ」
「実際、僕は居ないけどね」
「またそういうこと言う」
「ところで、カズキ君とはうまくいったみたいだね」
「・・・知ってたの?」
「赤くなるなよ。僕は何でも知っている。相談くらいしろよ」
「たっくんがヤキモチやくかと思って言わなかったんだよ」
「確かに妬けるね」
「それじゃ、月の件も知ってる?」
「もちろん。警察庁のデータにもあった」
「私、間違ってないよね?」
「少々強引だったけど、ユリちゃんらしいよね。例によって、テツさんには内緒?」
「お願い」
「レイさんが居なくなって12年か。僕が死んだのも」
「言わないで。たっくんはここに居るじゃない。私、明日出発するから見守っててね」
「エレベーターも宇宙船も僕の監視下に置いておくよ。絶対にユリちゃんを危険な目には遭わせない」
「ありがとう。でも、あまり不法アクセスはしないでね。保安官なんだから」
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