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ある日あるところの、ある大きな湖に、ある1匹の赤い魚がいました。
その魚は少し変わっていました。なぜなら水から出て、地上を見てみたいと考えていたからです。
そのことを仲間の魚たちに話すと、笑われてしまいました。
「そんなの出来るわけないよ」
「魚は地上で生きられないことを知っているだろ?」
水がないと息が出来なくなるため、地上に出ることが出来ないことをもちろん赤い魚だって知っています。
けれど水の中ばかりではなく、もっとたくさんの景色を見てみたい。色々なことを知りたかったのです。
(夢を見ることはいけないことだろうか?)
それ以来赤い魚は、地上のことを話さなくなり、そっと心の奥にしまったのでした。
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