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 その頃から私は持病の心疾患が悪化しだし、仕事を休む日が多くなる。そんな時は家で休んでいても、 「ちゅんちゅん丸、どうしてるかな…。ちゃんとご飯をもらえてるのかな…」 と心配になったが、なかなか体調は回復しない。その後、病院から処方された薬を飲んで、多少は良くなったので、仕事にも出られるようになった。  と言っても、時々発作が大なり小なり起きてはいたのだが…。    ある寒い日の朝、起きた直後にそれはきた。胸の中がけいれんしているように締め付けられる…。しかし、今日は特別な用件があるので会社は休めない…。  私は胸を押さえながら準備し車に乗って家を出た。朝食を食べる元気はなかったが、ちゅんちゅん丸が気がかりで、いつものコンビニに寄ることにした。  私がほとんど残したパンを、今日は多めにやると、 「チュンチュン…チュンチュン…」 と嬉しそうに食べている。ここに寄ってよかった、と私は思った。  ちゅんちゅん丸は食べ終わり、私の車の隣の車の下を抜けて行こうとした時、急にその車が発進してしまった…。 「あ!」
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