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たどり着いたお店のドアを開けると、カランカラン、というベルが鳴った。店内はザ・レトロ。昭和の洋食屋さんみたいだった。
さーてと、なにを注文しようかな。
席についてメニューを広げて、一枚だけぺらっと落ちてきたA4の紙。
なんだろう、と思って見てみたら、そこにはなんと!
《激辛ゲテモノカレー! 三十分以内に食べられたら賞金一万円!》
と書いてある。
「すごい、一万円だって!」
バイトもしてない女子高校生に一万円はデカイよ!
そう言って挑戦しようと亜美を誘ったのだけれど、文章の下に載っていた写真を見て、亜美はうええ、と顔をしかめた。
「正気? 自分からゲテモノ主張してるメニュー初めて見たわ。それにそれはなにカレーよ? 途中からルーの色変わってるけど」
なにカレーと聞かれて、改めて写真を見る。確かに同じ皿に二種類のルーが流し込まれているみたいだ。片方は普通のカレーらしい深い茶色で、もう片方はピンクだった。
「まあ、食べてみればわかるよ」
気軽に言うと、亜美はため息をつくのだった。
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