ニンゲンとネコたちの楽園

　空は青くすき通っている。まっ黄いろな太陽がのぼっている。

　今日はまるで、夏みたいだ。朝と夜には、冬毛でも防げないほどの寒さにこごえてしまうけれど。日中はポカポカのこの土の上で、おひるねするのがいちばん。

　この土のベッドは、自然にできたものじゃなくて、ニンゲンのおじいさんがたがやしてくれたものだ。けれどもおじいさんは、最初からぼくたちネコにやさしいなんてことはなかった。それもそのはず。ぼくらネコははじめ、おじいさんのいっしょうけんめいたがやした畑のほうに寝そべっていたから。