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「西の国〜、西の国〜、未羽様のご入場です」
「南の国〜、南の国〜、澪様のご入場です」
姫君達は、続々と入場してくる。
そして、陽翔が待ち焦がれた姫が入場してきた。
「えぇ、最後の入場となりますー。東の国〜、東の国〜、瑠梨様のご入場です」
瑠梨は駕籠に入っていて姿を確認することはできない。だけど、陽翔は、瑠梨の居ると思われる駕籠を凝視していた。
「ごほん、陽翔様、見過ぎですよ」
芳翠は小声でつぶやく。国妃に聞こえないよう注意を払って。
「あぁ、そうだな」
陽翔もわかってはいる。瑠梨を危険な目に合わせないために、注意しなくてはいなけないことを。だけど、気持ちを止めることは出来ない。
「一同、整列」
家臣の大声とともに姫君達の乗っている駕籠は
国妃と陽翔の前に、一列となった。
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