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「先輩、おまたせしました」 そんなふうに真面目に思っていた気持ちも、桐谷の声を聞くだけで 下心に負けてしまう。 「今日は早く終わったんで、ダッシュで来ましたよっ」 そう言って笑う桐谷の笑顔に、すぐに心が奪われる。 「ちょっと、ここに来て」 入口で立っていた桐谷に手招きして、 目の前までやってきたその手をとると、くいっとその手を引いて膝の上に座らせる。 「わっ」と、驚いた声を出した桐谷の唇に指先をあてて「……しっ」と言って間髪いれずに唇を塞ぐ
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