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君を瓶に詰めておけたらいいのに。
ずっと。
僕の手の中に、閉じ込めておけたらいいのに。
そう告げたら、君はどんな顔をするだろう。
困らせたいわけではないから、僕は平気な顔で舌を出す。
「昔さ、植えたら金平糖が生えてくるって言って、土に埋めたよな」
「だって、種みたいだったから……もう、やめてよ」
笑いあってから、水平線のその向こうを二人で見つめる。
「当分帰って来れないと思うと……ちょっと、寂しいなぁ」
ぽつりと君が言う。
目元が赤いのは、きっと傘の色のせいだ。
泣かれたりしたら、僕は――多分抱き締めてしまう。
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