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私の言葉に、翔也が唇を噛み締めた。
「もう、梨子のことも翔也のことも信用できない。信じるのが怖い。2人は、私を傷つけて、そう思わせるだけのことしたんだよ」
「だって、翔くんのこと好きになっちゃったんだから仕方ないじゃん」
梨子の言葉に、お母さんが静かに泣き始める。
お父さんはため息をついて、静かに「そんな娘に育てた覚えはない」と言い放った。
それでも梨子は、「私は悪くない」と口にした。
お義父さんは、翔也の頭を座敷に押さえつけて、無理やり土下座をさせる。
「こんな奴だが、婚約破棄だけは…!」
「女は男の浮気を許すものよ」
翔也の両親の言葉に、鳥肌が立つ。
「無理です。もう愛想が尽きました」
私は婚約破棄を言い渡し、両親を連れて料亭を後にした。
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