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バッグヤードに戻った私は、優実ちゃんたちに届けるための飲み物や、おしぼりの準備を始めた。
「すごいね! まだ二日目なのに、ちゃんと出来てるじゃん!」
私の様子を見た謙都くんは、またまた大袈裟なくらい褒めてくれたが、優実ちゃんのことが気になっている私は、咄嗟に返事できなかった。
「えっ? うん。……あっ、ありがとう」
「どうしたの? なんかあった? またレンさんに何か注意されたの?」
「あ、いいえ! 実はちょっと、ややこしい事態になっていて。従姉妹がロキさん目当てで来店してるの」
「ふーん? よかったらオレがロキさんの席に届けるけど?」
謙都くんがそう言ってくれたのは、親切心もあるだろうが、好奇心が勝っているのだろう。
「お願いしていい? 私は気まずくって」
「任せて。ついでに様子も見てきて報告するよ!」
謙都くんは、おしぼり二つとグラスや氷をワゴンに載せた。ワゴンには、既にさまざまな種類の飲み物の瓶が用意されていた。
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