運命共同体

27/32
713人が本棚に入れています
本棚に追加
/381ページ
「ちょっと、一慶泣かせたらだめじゃん」 「ワン!」 「はいはい、お前の朝ご飯もあるよ。って、全部一慶が用意したんだけどねー。富士子ちゃん、朝はご飯派?パン派?」 「……うう、ごはん」 「よかったー。うちもそうなんだ。泣いたらおなか空くでしょ?食べよ?」 「ワン!」 トントントンと優しく背中を叩く手がある。それが余計に嗚咽を止まらなくさせる。 おかしいな。お酒は抜けているのに。 素面でこんなに人前で号泣したこと……今までないかもしれない。 みっともないのに、全然みんな優しくて、私の涙はなかなか枯れなかった。
/381ページ

最初のコメントを投稿しよう!