10

6/31
5684人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
「律君、知ってた?」 「いや、初耳」 私のトレイに注文していた冷やしうどんを持ってきた店員さん。私の姿を見て目がまん丸 そりゃそうだろう。私だって同じ気持ち その人は隣にいる律君に目を移し会釈をして持ち場に戻る 会計を済まし席に座るとすぐ「びっくりしたね。まさか稲本がここで働いているなんて。ここって相馬さんの会社の系列会社?」律君に聞く 「いや違う。彼と妻は再雇用はしていないって聞いたけど。たぶん、ここの会社に再就職でもしたのかな・・・」 歯切れの悪い律君。もしかしたら何か知っている? でもさすがにここではそんな話はできないよね 「このうどんは気持ち悪くない。食べれそう」 話を変えた。聞きたいことはいっぱいあるけど。律君は食べながら、稲本の方を時折ジッと見ていた。気になるのだろう。私も同じ気持だけど
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!