同室者さん

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学園内のスーパーといってもめっっちゃ広い 「すっげぇ……」 「んで、何買んの」 「ああ、これ」 久我にメモを渡す。 「このやつ買うから手分けしよ」 「あ?俺は手伝わねぇぞ」 「えっ、なぜ?!」 「道案内だけに決まってんだろ、感謝しろ」 「えぇ〜!ドケチッ!」 「うるせぇ」 なんてやつだ! ついでに手伝いますよ?的な心遣いは出来んのか! じゃあな。と言って休憩所のような所へ行ってしまった。 一応待っていてはくれるのね。 親切なのか、そうじゃないのか分からん。 「はぁ……1から探すのかよ、だる」 広すぎて探すの大変。泣きそ 探し出して約1時間。 まだ半分ちょっとしか見つけてねぇ〜鬼畜ぅ 「ねぇ君。」 声が聞こえてきて顔を上げる。 「もしかして転校生?」 そこには爽やかくんが居た。 ゑ??ちょ、どこぞの風早くんですか?? ってくらい爽やか。 心なしかミントの匂いがー……って、 そんな場合じゃねぇ 『そ、転校生の青葉湊。そっちは?』 「僕は水瀬颯太(ミナセ ソウタ)」 あらヤダ。名前まで爽やかデスネ。 それに一人称僕なのは好感度爆上がり。 「青葉くんってもしかして喋れないの?その顔のお面は?」 ですよね〜、それが普通の反応だよね〜。 会って最初に突っ込んでくれたのは君だけだよ。安心。 『喋れないことは無いよ。このお面は顔を隠したかったから。それ以上はまだ言えないけど。』 「へぇ、そうなんだ。なんか大変そうだね。ところで今何してるの?」 『今は買い物中。でも広すぎて探すのにめっちゃ時間かかってる』 「あぁ〜、僕も最初はそうだったなぁ。良かったら手伝おうか?」 そう言って風早くんこと水瀬は微笑んだ サワヤカッ!! 爽やかな空気を吸いすぎて息がミントの匂いになりそう。 『え、むしろ良いの?何か用があったんじゃ?』 「もう、用は終わったから大丈夫だよ。じゃあ手分けしよっか。」 『アイアイサーーッ!!』 こうして水瀬に手伝ってもらい無事買い物は済んだ。 『マジでありがと、めっちゃ助かった』 「どういたしまして。せっかくだし部屋まで送るよ」 『えっ?!大丈夫!そこまでしてもらわなくても!!それにツレもいるから!』 「え?ツレ?」 そう言うと水瀬の視線が後ろにずれる。 その直後、頭上に衝撃。 「い"っ……!!」 「おっせぇ、買いもんにどんだけ時間かけてんだ、あ??」 久我、おこである。 確かに時間は掛かりすぎたけど殴ることないじゃんっ!!それに声出しちゃったじゃん! 「……久我、暴力は駄目だよ」 水瀬……!かっこいい! てか、久我にはくん付けじゃ無いんだ。 「あぁ?口挟むんじゃねぇよクソが」 「そう言う汚い言葉を使うのは良く無い。だから不良と呼ばれるんだ。」 「うるせぇ!てかなんでお前はこのクソと一緒にいんだ?あ"?」 「彼が君のせいで困っていたから手伝ってあげたんだよ。」 「……あ"ぁ?」 ドスが効いていらっしゃる。というか水瀬。 君は何故そんなに挑発的なのかね? ほらぁ、久我怒っちゃってんじゃん! バチバチしちゃってんじゃん! 俺が止めなければ 『私の為に争わないで?!』 「死ね」 「……」 ふざけました。すいません。 久我はまだしも、水瀬まで俺を冷たい目で見ている。 もう空気最悪じゃん。 俺がさらに悪くしちゃったじゃん。 ぐうぅぅぅっ 「「「………」」」 ……どこまでも空気読めないやつですいませんっ!!!!もう、本当に なんでこんな時にお腹鳴るかな! 居た堪れなくなり俺は顔を手で覆う。 「……お腹減ったよね。僕もたまにそういう事あるから、気にしなくて大丈夫だよ。」 水瀬、ありがとう。でも今はその優しさが辛いんだ。 「………」 久我はちょっと同情してるような顔しないで?!もうヤダ!! 『……取り敢えず飯食うぞ。水瀬も一緒にどう?』 「あぁ、是非ご一緒させて。」 部屋に戻る合間に水瀬や久我の気遣いが所々垣間見えて泣きそうになったと後々語る湊であった。
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