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 ……ぱりんっ!! ぼうん、ぼうううんっっ!!! 「わあああああ!!」 「うぎゃああ、うわああああ!!」  安藤たちが瓶を投げつけた辺りは、たちまちのうちに燃え上がる火の中に包まれた。博士の考案した「先制攻撃」は、まずは成功した。だが、炎の被害に逢ったのは4,5名で、無事なヤンキーどもはまだ10数名残っていた。 「ちくしょう、てめえら!!」 「ふざけやがって、覚悟しろ!!」  そいつらは火だるまで転げまわる「仲間たち」を無視して、怒り狂ったように安藤たちに殴りかかって来た。最も、火だるまの仲間を助けようと思っても、火の勢いが強すぎて、近づけそうにないこともあったのだろうが。そいつらの襲い掛かり方は、仲間を助けるよりも怒りに身を任せた行動だとも思えた。しかしここで、博士考案の「第二次攻撃」が始まった。 「あひゃあ、あひゃひゃひゃひゃ~~!!」  安藤たちの背後から、堂本が「満を持して」登場し。スーパーでヤンキーどもを恐れさせたように、両手に持ったスーパーの袋にブロックなどの重しを入れ、びゅんびゅんと振り回しながらヤンキーどもの中に突進していった。 「うわあ、なんだこいつ?!」 「いてぇよ、マジかよ?!!」  安藤たちに殴りかかろうとしていたヤンキーどもは、ぐるぐる回り続ける堂本の勢いに押されて、やや腰が引け気味になっていた。……よぉし、ここまでは上手くいってる。後は、女性陣が残った瓶を投げれば……! 堂本が突進して行った後に、その突進を避けつつロッジに突入しようとしてくる奴がいたら、ロッジ内で控えている女性陣が薬品の瓶を投げつける。そういう手はずだった。だから安藤たちは殴られることもあるだろうが、堂本と一緒に出来るだけ、ロッジの外に奴らを食い止めればいい。そういう作戦だったの、だが。 「くっそう、頭おかしいのかよこいつ?!」  ヤンキーの1人が、回り続ける堂本に向かい、ヤケクソのように持っていた松明の棒を振り下ろした。それは本当に、何かを狙ったものではなく、めくら打ちのように振り下ろしただけだったが。ちょうどタイミングよく、堂本の右手に命中した。
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