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「だ、だまされないぞっ!!」
慌てて距離を取る孝真を見つめると、孝真は警戒するように構えてこっちに鋭い目を向ける。
「は?」
「そうやってやさしくしてたおすつもりだろ!」
「何言ってんの?」
「そのてにはのらないっ!」
俺の理解が追いつかないまま、孝真は膝を曲げて姿勢を少し低くした。
左手は前に出して構えながら右手はベルトの脇に収められたピストルに添えられる。
臨戦態勢のその姿にさっきまでとは違う緊張感が走った。
いや、違う意味で感心する。
「すっげぇなりきってんじゃん」
思わず呟くと、孝真はピストルを抜いてこっちに銃口を向けた。
「しんのすがたをあらわせっ!トゥルース・ショーーーットっっっ!!」
あまりにも真剣なその姿を見て一瞬考える。
あれ?これは「うわぁぁ、やられたぁぁ!」とかしないといけないやつか?
そう思うのに……
「真の姿って何だよ?」
俺の口から出るのは冷めきったどうしようもない言葉。だが、
「めをさませよ!おまえはそんなやつじゃない!」
孝真はピストルを胸の前でカチャリと鳴らして何やらボタンを押す。
「……カイザー、やみのちからなんかにまけるな」
「あ、まだ続いてんの?てか、俺、カイザーになってんの?」
明らかにその空気を壊しているのに、孝真は一度目を伏せてゆっくりとその目を開けてからこっちを見た。
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