50人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
聖なる日 ③
僕たちの車は、順調に江ノ島へ
日中は、上着がいらないような暖かさで
益々テンションが上がりそう
江ノ島に着き近くの駐車場に車を停め
納品の段ボールを持とうとすると
慶太が横から拐うように持つ
「ね、僕持てるんだけど?車にキーしなよ」
そう言いながら振り向くと
━ガチッ━
車のキーがかかる
「ん?スマートキーだから平気」
ああ、そうだった
いつも林業組合の古い軽トラや軽ワゴンだったから忘れていた
「ほら、柾の白魚のような指が」
「もう行くよ!」
話を遮りかんの家さんに向かう
もう、慶太の話は恥ずかしすぎる
止めないといつまで経っても喋っているから…
僕は、多分変なニヤケ顔で歩いていると思う
「こんにちは、工房 結 でーす」
お店の入口付近から声をかけながら中に入る
「はーい、あ!いらっしゃい!!お待ちしてました」
店長の咲さんの元気な声がした
「ご無沙汰してます。お元気そうですね」
「も~元気、元気。柾さん達は?」
両手を上げ肘を曲げ握りこぶしを作り上下に二~三回動かす
なので僕も真似をしながら
「僕らも元気ですよ~」
顔を見合い笑った
「今、お茶持って来るから座って」
「あ、咲さん。納品!!」
「お茶飲みながらしましょ」
咲さんの明るい声が店内に響く
外は、暖かく楽しげな声が響き
店内は、咲さんの明るい声が響く
━ああ、なんだか幸せだな━
って思う一日だな
最初のコメントを投稿しよう!