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「海堂気持ちいい、そのままでいて」
彼の右手が私の右手を捉(とら)えた
私はその右手をそっと握り返す
私の左手は結のしなやかな髪を撫でていた
どれくらいの時間、そうして居たのか
私は幸せだった
「海堂の心臓の音、僕の背中に伝わってくる、
早いね」
私の心は見透かされている
彼は私の方に振り向いた
両腕を私の腰に回し、胸に顔を埋めながら
「僕の居場所みっけ…」
私の両腕が彼を抱きしめていた
その少し青い瞳は、私を捉えていた
「結様は私の大切な方です」
結、21歳の春
私の中に居場所を見つけた
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