クズな君とは、さよならだ。【完】

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「ねぇ…要、ひとつ確認していい?」 「…んだよ、さっきから質問ばっか」 うんざりしたように言うけど、それはあんたが重要なこと何も私に言わないからだ。 ただの幼馴染にこだわった訳も、バースデーケーキも、指輪も、結婚も… 要の頭の中にあること何ひとつ私は知らなかったから…知りたいと思うのは仕方ないじゃないか。 聞きたいことは他にももっともっとあるんだけど…結婚する前に…これだけは聞いておきたいことがあって。 「…要は…私のこと…好き、なんだよね?」 「…………は?」 怪訝な表情を見せる要に…今回こそは負けてしまわないよう、目を逸らさずに見つめ続けた。 だって…要から好きだのなんだの…って一度だって言われたことはない。 「会見…見たんだろ?」 「見たけど…直接…言われてない」 確かに会見では…沢山私への愛を語ってくれたけど、テレビの中のあれは…アイドル用で…火消しのために仕方なく結婚するという可能性もある。 「…疑り深いな…」 「誰のせいでしょうか」 「…」 今まであんなに無下にされてきたのに、急に結婚…だなんて、やっぱり何か裏があるのではないかと疑わずにはいられない。 困ったように顔を引き攣らせる要。 「俺だってお前から…言われたことないし。そういう…こと。」 こめかみを掻きながら珍しく自信なさげに呟いた。 「え、…私?」 「いや…別に、言わなくても…いいけど…」 いつも自信満々の彼が不安そうに目を逸らす、 こんな要は…見たことがない。
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