さよならだけが──

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 彼女がどこまで本気だったか分からないが、この距離感だからこそ続いていたのではないかと思う。  彼女とは連絡をすれば多分、返事をしてくれるし、会おうと言えば会ってくれると思う。  恋人がいたり結婚していたり。その可能性もある。  だけど会おうと言えば多分、会える。  彼氏がいても結婚していても、なんとなくそれは予感めいた確信があった。  会えば二人で喫茶店に入り、小一時間ほど話をして、バイバイするのだろうな。  その時こそ本当のサヨナラかもしれないと思うと、むしろ会えずにいる。連絡もできずにいる。     そんなぼくは女々しいだろうか。  改札でそして最後の別れのとき、やはり振り返らずに消えていった彼女を、なんとなく美しいな。と思った。  そしてぼくはこの日彼女に、「またね」とは言わなかった。  以上をもって、ぼくの『妄想日記』を完結とさせていだたきます。  ご拝読ありがとうございました。
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