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そして残る一族も連座し平民、或いは農奴に落とされる事は、想像に難く無い。
であるが故に、ジェイミーは自らの騎士になる夢を実現させ得る、唯一の手段・茨の道を選ばざるを得なかった。
それはつまり、戦場において武勲を立てる事。
「僕の騎士道、止められるものなら止めてみるがいい!ふっはっは〜☆」
とは、彼女の口癖。女だてらに騎士を目指す。それを目に余る愚行だと考えている貴族の子弟は、学院内に於いても少なくはない。
入学当初から、アヴァロニア王国初の女性騎士になると公言していたジェイミー。それが癇に触る者達が訓練と称して教訓を垂れようと次々に挑みかかってくる。
その悉く返り討ちにする際、這いつくばるその上にあびせかけた言葉。それは決意と覚悟の決め台詞。
そして彼女の騎士道の前に立ちはだかったのが、主席の同期入学者。ネイア・フォレストである。
純粋な剣技において、ジェイミーはネイアのそれを凌駕する。
そして幼少期より、歳の離れた兄達の中に混ざって鍛錬と修行を続けていた故の、身体能力は一見、細身で幼さの残る彼女想像できない程に無駄なく鍛え上げられた、ある種の一級芸術品である。
それでもなお、ネイアとの模擬戦はほぼ五分と五分。
魔法魔術学園に於ける実践訓練である以上、魔法による補助は当然、制約無しに認められている。
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