食べ物の恨みは恐ろしい!?

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「……腕」 女性はスッとシシドウの右腕を指差した。 「あ、さっき少し擦れたんだな。 これくらいかすり傷だ」 女性に言われてシシドウは自分の右腕に傷があるのに気づいた。 「ヒール!(他者回復魔法)」 女性がシシドウの右腕に手をかざすと温かい光がシシドウの右腕を包み込んだ。 そして、みるみる右腕の傷が癒えていった。 「回復魔法か。 ありがとな」 すっかり傷が消えた右腕を見ながらシシドウはお礼を言った。 「こちらこそ、これ取り返してもらって助かったりました」 そう言って女性は巾着袋を大事そうに抱え込んだ。 「「こりゃ!すげぇ焼き!」の命と引き換えにな」 不満そうなシシドウ。 「根に持ちすぎよ」 シシドウの言動にサクラは深いため息をついた。 「あの……お礼がしたいんですが……」 女性は二人を交互に見ている。
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