僕と彼女(2)

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「今、よね?」  それを目にしても認めたくなかったのか、……彼女が僕の妄想であればそれも可能か、と思ったと同時だった。 「これはです」  そう言った彼女が手に持っていたものをテーブルの上に置いた。僕は双眸を大きく見開いてしまう。  二つの髪留め用の黒い輪ゴムだ。  僕はそれを見て不思議に思った事を声にする。 「輪ゴムもガラスを通り抜けたのですか?」 「はい」  と、彼女が口角を上げる。 「一体、どうやって……。もしかしてマジシャンだとか? 僕を騙そうとしています?」 「うーん。これでも信じてもらえないのですね……。仕方ありません、こうなったら奥の手です」
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