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2人目は、8人中唯一の男性、いや……男子。名前を仮に、理多としておく。
大変お熱い話になってしまうが、実はこの人、私の初恋の相手であり、相手にとっても私が初恋の相手だった。つまり、まさかの、初両思いの相手。
誕生日は、私とは離れた9月27日。別になんてことない日だと思う。9月27日に大きな祝日があった気はしない。
ちゃんと覚えている。小学生ながら、家庭環境に苦しむ私にとって、本当に心の支えとなる人だった。
私の1つ年上の理多。本当に、生きていればモデルにでもなっていたかと思うほどの、美男子だった。
実は、私に告白してくれている理多。
両思いだと分かっているのも、お互いの初恋の相手同士だったことが分かっているのも、この告白のおかげ。
でも、私は……この告白に、返事出来ずじまい。いや、もう二度と、一生出来ないだろう。
私はきっと、この後悔を一生引きずる。
あの時、告白に返事さえしていれば……私も、と、その短い返事さえしていれば、きっと何かが変わっていた。
理多の直接の死因は交通事故。でも……彼は即死じゃなかった。
これは、事故に遭ってから2年7ヵ月、植物状態のまま生き抜いた、私が一生愛し続けると誓う……大切な人の話です。
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