四人旅①「出発」

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四人旅①「出発」

   9月のシルバーウィークの初日、昼。羽田空港の第2ターミナルに集まった男女4人がいる。  宗田超愛、夢夫妻。三途川勝蔵。大滝彰吾。  旅行に出る際、宗田邸で4人はいろいろ話をした。 「今回の旅行、私に段取りの全てを預けてもえらませんか?」 そう言ったのは大滝だ。  大滝は旅行にあたっていろいろ考えた。 (まさなりさんたちに任せるのは論外だ、どこまで旅行の桁が外れて行くか分からん。親父っさんは立場上、個人での旅行の経験はそんなにないだろう)  そう思えば自分が仕切るしかない。それにその方が絶対に安全だと思う。 「それじゃご迷惑をおかけすることに」 まさなりさんが遠慮をする。 「いえいえ。お2人ともいつも旅行では主導権をお持ちでしょう。たまには人の采配で旅行するのもいいもんですよ」 「ああ……R&Dの皆さんとした社員旅行のように?」 「そうそう! あの感覚でいていただきたい。勝蔵はどうだい?」 「彰吾が引き受けてくれるんなら大助かりだ! 俺には北海道旅行なんて畑違いもいいとこだ。頼むよ」  という経過があって、大滝は主導権を勝ち取った。  目指すは北海道。まずは女満別(めまんべつ)空港から斜里(しゃり)へと向かうことになる。  羽田から女満別空港への旅は、もちろんファーストクラス。飛行機の中で昼食をとる。  まさなりさんのいいところは、旅行についての蘊蓄(うんちく)をあれこれと語らないところだ。なんにでも感動し、なにより4人旅ということで興奮しきっている。 (クッションはもちろん、機内専用スリッパがある)7baeb0ec-0a55-4bde-af63-01ada9b65047 (小鉢)明太高菜ビーフン、ごまカンパチ漬け、若布 万能ねぎ (主菜)水炊き (俵御飯) 福井県産特別栽培米「いちほまれ」 (味噌汁) (茶菓)東京たまご ごまたまご / 銀座たまや  
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