仕事かあ…

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仕事かあ…

「あー、朝が来てしまった」 カーテンから漏れる太陽の光を寝ぼけ眼でぼんやり見ながら私は顔をしかめる。 「仕事行かなきゃな」 大きく息を吸おうと思ったらため息が盛大に出てしまった。 仕事に行きたくない。 その気持ちが胸いっぱいに広がり苦しくなる。癖っ毛のため派手にピョンピョンしている髪の毛を手で押さえつけながら洗面台に向かう。顔を洗う。洗顔クリームは使わない。水でバシャバシャと洗い、お気に入りのタオルで水気を取り化粧水、乳液、美容クリームを順に塗り込んでいく。化粧は得意ではないけど肌質だけはしっかりと整えたい。だからちょっとこだわりがある。多少高くても私は買う。 「だって、老けて見られたら嫌だもんね」 一人ごちる。一人暮らしの私に言葉を返してくれる人はいない。彼氏だっていないし。そんな何回も言い聞かせた言葉を心の中で呟き、出勤準備をのろのろと始めた。
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