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1章 かさぶた
あれは小学生低学年の頃ですかね。
遊んでいて擦りむいた膝に絆創膏を貼っていたんですが、しばらくするとかさぶたができたんです。
あれって、剥がしたくなるんですよね。それで、爪でカリカリやってかさぶたを剥がしたんです。
不思議ですよね、皮膚の一部なのに皮膚が再生されると剥がれてしまう。
でも、間違いなく自分の一部なんです。
それでぼんやりとかさぶたを眺めていたら、ふいに、『食べたい』と思ったんです。
それで、口に入れました。
味は、なんかしょっぱいような感じでしたが、それよりあの硬い感触がなんともガムのようで、しばらく噛んでいて、それで、飲み込みました。
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