祖 父

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祖 父

 父は厳しい人でした。  六人兄弟の四番目、農家の三男として生まれた私は、物心ついた時から家の手伝い、畑仕事に従事するようになっていました。  母におぶられ、知らず知らずのうちにその作業を見ていた私は、そうなるのが当然の如く、小さいながらも家の労働力として生まれ育てられました。 「農家の子供は勉強なんかせんでええ」  それが父の口癖で、ニ人の兄も鼻から勉学には見向きもせず、ひたすらに畑で手を汚す毎日を送っていました。  私も当然そのように育ったわけですが、どういう訳か、学校で教わる勉強が楽しく、成績はクラスでいつも一番でした。
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