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「ケンちゃん。今度はコレあげるわ。きっと似合うと思うの」
「ありがとう、ハナちゃん」
「うふふ。違ったわねぇ。ケンちゃんなら何でも似合うものね」
「そう? ハナちゃんが上手だからだよ」
「まぁ。ケンちゃんったら」
スイーツの並ぶ棚とお弁当が並ぶ棚の間で、しゃがんで品出しをしているケンちゃんと呼ばれた若い店員と、ハナちゃんと呼ばれた真っ赤なコートのおばちゃんが笑い合っていた。ハナちゃんはシナを作っているが、どう若く見積もっても五十代といった感じだ。
(いやいや、ハナちゃんって歳じゃないでしょ)
「またミて頂戴よ」
「ふふ。好きだねぇ。いつでも良いよ」
「今度の火曜日は? あの人が出張だから」
「うん。分かった」
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