ⅩⅠ

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はづの家に着いたのは6時過ぎだった。 「あっ…おじいちゃんだ」 「ほんとだ。結婚式の時と変わらず元気そうだな」 「うん。歩いてご飯食べに来たんだと思う」 「挨拶してから帰る」 そう言ってはづより先に車を降りた俺は 「こんばんは。家の前に車をすみません。湊と夕月さんの友人で葉月さんとお付き合いさせていただいている百々大五郎と申します」 とゆづの結婚式で会った、彼女達のおじいちゃんに挨拶をする。 「ああああ…見たことがある気もするが、同じ格好じゃないとわからんな、はははっ。入りなさい、入りなさい。あっ、葉月のじいちゃんです。よろしく」 そう言いながらアルミ門扉を開け、玄関ドアを力強く引いたおじいちゃんが 「おーい、ちょっと出迎えてやって」 と大きな声で中へ向かって言う。出迎えてやってとは、大事になったなと思いながらはづを見ると 「だいさん、諦めが肝心。今はおじいちゃんの全てを受け入れるしかない」 と大袈裟に首を振って見せた。
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