うっかり助けた魔女の恩返しで、好きな人の元に自動で向かう魔法を靴にかけられ、彼に触れると発動する淫紋を刻まれた私に起こった椿事。

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 じっとブランの目を見つめ、感極まったように、ロルフは真剣な目をして呟いた。それをとろんとした目で、ブランは見上げる。 「私もすごく好き。ねえ、ロルフ、キスして……してよぉ……小さな時は、いっぱいしてたよね?」  幼い頃はことある事に、頬や唇にキスをしていた。流石に庶民が文字や計算などを学ぶ学校に通う年齢になったら、親に外ではしないようにと言われたので、部屋の中でだけするようにしていた。 「いや……でも、お前。淫紋の……これのせい? 俺にそうして欲しいのは、ブランの意志じゃないだろ」  そっと身体を少し離し、ブランがさっき見せた淫紋をもう一度確認し、ロルフは戸惑っている様子を見せた。 (早く、早くいっぱい触って欲しいのに。私のこと好きなのに。なんで、ロルフは余計なことを気にするの?)  ブランはロルフの首裏に手をかけて、甘えて言った。
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