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俺は男がいると言うホテルに向かった。
良い加減族も抜ける時期が来た。きっともう捨てられる。
自分で暮らせるだけの金なんてないけど、ケツ売ればいい。族の中でも輪された事あるから、きっとやって行ける。ホームレスだって慣れている、大丈夫、大丈夫…
俺は任務を果たすためにベルを鳴らした。少ししてガタイの良い男が出てくる。
「あ”ァ〜?俺はお前みたいな男を想像してなかったんだがァ…」
と煙草を吹かすかなりの色男。こいつが精欲処理を探していると書いてあった。俺が、ケツを出せば良い。
「……、悪くは、ないと思いますよ」
そう言って見上げればニヤッと笑って俺の腕を掴み、靴もそのままでベッドに押し倒される。
「っ……」
「なァ、お前これ取りに来たんだろ?」
男は笑って俺にぴらりと書類を見せてくる。
「……なんのことだか」
「嘘つくなよ、この前も女が来た。隠れて入って来やがってよォ…まあすぐ見つけて1発殴ったが。」
とニコニコ会話を続ける男。
「っ…」
「毎回、お前のボスは送る奴少し間違えてるんじゃねえか?」
俺の上から退いてベッドサイドに置いてあるワインを片手に持つ。それを口に流し込んだかと思えば俺に口付けして流し込んでくる。
「ん、ぐっ…、っ…」
反射的に押し返すが、だいぶ飲んでしまった。何が入ってるのかもわからないのに。
「なんだ、楽しませてくれるんじゃないのか?せいぜい主人のために俺に必死で腰振るこったな」
「っ……」
何も言い返せない。だって、事実そうなんだから。
「丁度1人で退屈してたんだよ、暇つぶしくらいにはなれよ」
そう言って男は楽しそうに口角を上げた。
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