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「葵、ちゃんと腰振って?」
「は”、はい”……」
と返事をし主人、優斗様の上で腰を振る。
役目が終わると俺はさっさと部屋を出た。優斗様は族のボスだ。
俺は優斗様の犬、だから昨日も今日もお相手した。でも優斗様の相手はいくらでもいる。今は部屋の前で見張りをしているのだが中では女の喘ぎ声と優斗様の声。
「はぁ…」
俺は拾って貰った、本当に有難くて、嬉しかった。昔は優しくしてくれて、楽しかった。でもいつの間にかそんな事は無くなって…、ヤった時お金もくれなくなった。そのせいでここにしか居場所がない。
優斗様は俺の事なんとも思ってなさそう。ただのたまにヤる精欲処理とかそんくらい。
俺はある程度筋肉もついてて身長も178cmある。なのに見張りはするけど最近は任務に駆り出されない。そのせいで報酬も出ないのだ。
喘ぎ声が終わると優斗様が扉を開けて俺を中に入れた。
「…なんでしょうか?」
「任務だよ」
最近なかった事で俺は少し驚く。
「!…わかりました…」
「こいつの所、行ってきて。この子がミスして書類取るの失敗しちゃって」
女の頭を撫でる。まるで好きな人を見る目で彼女を見た。少しずきんと心が痛んだ。
「……了解です」
こいつ…って…結構ヤバい奴、だけど…
書類に目を通して俺はぱっと優斗様を見上げる。
「……、できないならー…」
…ーやめて良いよ。
そう言われると思って俺は先に口を開いた。
「や、やりますっ!」
俺は全ての情報が載った書類を持ってスマホに奴の現在地を送ってもらった。
「…さっさと終わらせて帰って来てね?」
と身を翻して女の隣に転がる。女は俺を見てニヤっと笑った。
きっと俺が彼女に勝てる事はないだろう、だって大体性別も体付きも、違うのだから。
……ー全部捨ててここから居なくなってしまおうか。
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