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「うーん、今はまだいいかな。もう少ししてから頼むね。メニューはまたあとで見せてもらってもいい?」
「莉緒は、次もレモンサワーでしょ?」
二宮くんが頷くと、多恵がすかさず「今日もレモンサワーしか飲んでないよね」と口を挟んだ。
「だって、ここのレモンサワー美味しいんだもん」
「ここの、なんて言いながら、いつもレモンサワーばっかりじゃない」
「そんなことないよ。たまには、他のものも飲むし」
「莉緒ちゃんって、本当にレモンサワー好きだよね」
「うん、なんかこればっかり頼んじゃう。ふたりは、わりとなんでもいけるよね。私もいろいろ飲みたいとは思うんだけど、結局一番美味しいと思うのがレモンサワーなんだ」
いつの間にかお酒の話に変わっていて、日本酒ならなにが美味しいかとか、彼はワインも好きなんて話をしていた。
そのまま次々と違う話題に飛んでいき、すっかりさっきの話が頭の片隅に追いやられた頃、お店に来てから三時間近くも経っていたことに二宮くんが気づき、三人での飲み会は明るい雰囲気でお開きになった。
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